まったく新しいタイプの品質管理システムでした
いまから約30年前までの、製造工場の品質管理は、主に米国から導入されたTQCトータル・クオリティ・コントロール品質管理システムに基づいていました。アメリカで開発されたTQCトータル・クオリティ・コントロール品質管理システムは、まったく新しいタイプの品質管理システムでした。会社のトップが現場で最前線に立って品質管理の立案をしました。それからその考えを水平展開したのです。会社のすべての従業員を含めて毎日熱心にQC活動を行いました。日本では、QCサークル活動を実施する際に、そのための賃金が支払われなかったため、このQCサークル活動は次第に衰退しました。TQCトータル・クオリティ・コントロール品質管理システムは、現場で製造される製品の品質を劇的に向上させることができました。当時、日本企業は、すべての会社が、TQCトータル・クオリティ・コントロール品質管理システムを導入しています。しかし、このQCサークル活動には、賃金支払いの面で、労働者の反発を食らうという側面を持っていました。人は誰でもただ働きをするのは嫌なものではないでしょうか。
製品のトレーサビリティとはなんでしょうか
2000年近くになると、米国のTQCトータル・クオリティ・コントロール品質管理システムが崩壊しました。それは、スイスのジュネーブに本部を置くISO国際標準化機構が推奨する品質管理システムにとって代わられました。製品のトレーサビリティは、ISO国際標準化機構によって提唱されている品質管理システムの根幹をなすものです。トレーサビリティとは、製品が製造された時点に遡って、その品質が確認されなければならないという考えです。分かりやすい例としては、コンクリートの施工時にコンクリート打設箇所ごとにテストピースを採取するということがあります。建物のある部分のコンクリートの品質は、その日に採取されたテストピースによって代表されるという考えです。つまり、トレーサビリティとは、その品質を、製造辞典にまで遡ってチェックできるという優れたシステムです。
日本で計測器の校正の必要性が急速に高まっています
日本で計測器の校正の必要性が急速に高まっています。どうしてこのように計測器の校正の必要性が高まってきているのでしょうか。計測器の校正の必要性が高まってきているのには理由があります。近年、日本では品質管理に関する法律が大幅に改正されています。それがJCSS校正です。たとえば、製造プロセスで使用されるすべてのタイプの計測機器は、国の基準に照らして、その精度を確認できなければなりません。つまり、国家が保有する標準器までさかのぼって、その確からしさを確認するということです。製造工程で使用される計測器の精度をチェックするのは非常に面倒な作業です。JCSS校正は、政府の認定機関により認められているjcss校正サービス業者によってのみ実行できます。計測器がJCSS校正に合格したと判定された場合、校正証明書が発行されます。校正証明書は、製造プロセスで使用される計測器に添付していなければなりません。校正証明書なしで計測器を使うことは法律違反となります。
