計測結果がISO準拠であることを証明するための要素
事業や研究にはものの硬さや使用する電気の数値など、非常に数多くの要素が関係してきます。そしてそのままでは種々雑多な結果になってしまうため、一定の基準に則っています。しかし一般的に使用する測定器には誤差が出るため、結果がその基準を満たしているかどうかをまず証明する必要があります。その際に行うのが計測器の校正で、国際的に有効なISO規格に合わせたものにすることが多いです。そしてその校正を行うことができる事業者を登録する制度として、JCSSというものがあります。
国家標準へのトレーサビリティが重要
国全体で基準を定める場合には、様々な分野であらかじめ国家計測標準が用意されています。そしてそこから直接一般の計測器を合わせるのではなく、基本的には間に別の標準を挟むことになります。その順序が全て明らかになっている状態をトレーサビリティと呼び、校正に関しては非常に大切な要素です。国家計測標準を第一次の基準として第二次の別の計測器を合わせ、さらにそれを元にして一般の計測器を正すと、結果的に一般の計測器が国家計測標準に合っているということになるからです。また計測器に付きものの、不確かさという結果のばらつきを明確にできるというのも特徴です。もしそこにトレーサビリティがなければ元を辿ることができずに、製造したものや研究の結果そのものが信頼性を失うことになります。そしてその二次での校正を行うのが、JCSSで登録された事業者です。必要に応じて証明書を発行することができ、それは法律で定められるほど確かなものです。もちろん分野によっては事業を行うためにその証明書が必須な場合もある上に、別の手続きを免除扱いにするなど、単純に計測器の数値を明らかにする以外にも使いどころがあります。
認定と維持するための報告が必須
JCSSに登録されるためには全部で23ある分野それぞれで申請をして、認定を受ける必要があります。また当然第二次標準にできる計測器が欠かせない上、技術力も求められます。そして認定を受けた後でもその状態は維持しなければならず、1年ごとの報告書を提出する義務があります。JCSSの証明書には、それらの要素が含まれた上での価値があると考えると良いでしょう。また国際的な多国間相互承認にも適応しているため、もしその認定を同時に取得している状態になると、証明書でまとめることができます。